『震災が残したもの』

　A-yan Tokyoは、阪神・淡路大震災が起きた1995年の夏から毎年被災地を訪れ、そこで生活する方々の体験談を聞かせてもらっています。その話と写真をまとめたのがこの『震災が残したもの』です。このたび震災から9年が経過した昨年2004年の神戸を取材した「第10巻」が完成しました。

　年を追うごとに問題が変わってゆく被災地神戸、そこで生活をしている方々の様子や被災地の現状、また震災とは何だったのかということが語られています。

　この本を読んだ方に、被災地で暮らす人々が未曾有の大震災といかに向き合って生きてきたかということを少しでも感じてもらえればと思います。

　

■お待たせいたしました！　『震災が残したもの10』を発行しました。

　待ちにまっていた『震災が残したもの10』（愛称＝『しんのこ』）、みなさんのご協力のおかげで発行することができました。今までの10作を改めて振り返ると、決して平坦な道のりではなかったなあというのが正直な思いです。
　今年は阪神・淡路大震災から10年目ということや度重なる自然災害の影響で、マスコミでも「神戸」は大きく取り上げられる機会も例年よりかなり多くあったのでないかと思います。しかし、自分自身が歩いた神戸、見た神戸、聞いた神戸の印象とは違うなあという気もします。
　さまざまな人がいて、さまざまな出来事があります。事実はひとつだけではありません。いや事実はひとつだけかもしれませんが、事実をどう捉えるかは人それぞれと言うべきかも知れません。
　ともあれ、僕達が感じ考えた神戸が『しんのこ』にはあります。阪神・淡路大震災から10年、街の姿も大きく様変わりしていくなか、人々が何を感じ、考えているのか伝える役割を担っていきたいと思います。

編集長　白井 信光

震災が残したもの第10巻［ 目 次 ］